刺青(タトゥー)の消すのに保険は使える?というお問い合わせについて

刺青(タトゥー)の除去をクリニックで受ける場合、保険が使えますか?

というお問い合わせをいただくことがあります。

当院は医療機関なのでもちろん病気やケガの治療には保険が使えるのですが、

刺青の除去については保険適用外です。

健康保険は本来、病気やケガなど本人の不可抗力によって起きてしまった疾病を

治療する際にその費用を支えるという目的のものです。

お金がないことを理由に医療による手当を受けることができず重症化したり

命を落としてしまったりすることが多かった時代の反省も込めて整備された、

社会保障制度です。

刺青は自分の意思で入れるものであり、それを消したいといっても

自己責任なので自由診療(保険適用外の治療)となります。

当院では費用面についても明瞭化やできるだけ負担を少なくできるような工夫を

していますが、それでも「高い」と感じる方はおられるでしょう。

刺青を入れる時も決してお安くはなかったはずなので、

消す時もお金がかかるという印象をお持ちかも知れません。

ただし、これには例外もあります。それは鉛筆が刺さってしまって色素が

皮膚内に沈着してしまったケースや、道路でケガをしてアスファルトの色が

ついてしまった場合など、不可抗力によるケガのケースです。

こういった場合は通常のケガのように保険が適用される場合もあります。

刺青とは全く別次元の治療なのでそういった事例は少ないですが、

保険適用と適用外の境界線はそこにあるということを

認識していただければと思います。

刺青除去の治療費は「刺青を入れる費用の10倍」説をご存知でしょうか

刺青除去をお考えの方にとって、やはり気になるのは費用だと思います。

保険が使えないとなると高いのでは?と考えるあまり、

費用への不安をお持ちの方はとても多くおられます。

ご存知ない方もおられるかも知れませんが、

半ば都市伝説のようになっている説として、

「刺青を消すのにかかる費用は刺青を入れる費用の10倍」というものがあります。

もし刺青を入れる費用が5万円だったのであれば、

刺青を除去するのに50万円必要になる、という具合です。

これって本当なのですか?というお問い合わせをいただくこともあるのですが、

これについては一概に言えません。

当院に限らず、刺青除去治療の費用は「治療法」「面積」「部位」によって

決まります。

レーザー治療なのか切除するのかによって根本的に治療法が異なりますし、

実際に治療法を選ぶ際には費用面だけで決まることはなく、

刺青の大きさや色、状態、部位などによって診察の上で決めることになります。

単純に刺青を入れた時に要した費用の10倍というと

とても分かりやすい目安ではあると思いますが、それだけで先入観を

持ってしまうと正しい認識からかけ離れてしまうこともあるでしょう。

当院でもそうですが、医療機関でも診察は決して費用を

高くするために寄せているということはありません。

治療の効果や痛み、期間、適性などを総合的に考慮して最善の選択肢を

ご提案しているので、その治療方針や費用に疑問があるという場合は

事前にしっかりと説明を受けるようにすることをオススメします。

効果に少しでも不満があると費用の妥当性にも疑問が生じてしまい、

「高いお金を支払ったのに・・・」と感じることもあるかも知れません。

費用面も含めて刺青の除去は信頼関係がとても大切な治療です。

当院でも丁寧な説明に心がけていますが、

疑問がおありの方はどんどん質問してください。

実は意外に難しい、足首の刺青除去

元人気アイドルの某女優による薬物犯罪が取沙汰された時に、

注目されたことがあります。

それは、彼女が入れていた足首の刺青です。

他の部分は服で隠されていて分かりませんが、女性なので足首を

露出することが多く、それがマスコミから格好の餌食となりました。

「やっぱり、薬物をやるくらいの人だから刺青も入れている」という

論調の報道が連日のように流れたので、見聞きした方も多いと思います。

現在彼女がその刺青をどうしたのかは私も知らないのですが、

もし除去治療をしていたとしたら、それはかなり大変だったことでしょう。

なぜなら、足首の刺青は意外に除去が難しいからです。

現在の医療技術をもって除去できないということはないのですが、

足首の皮膚はとてもデリケートなので、痛みへの配慮も含めて

かなりの時間が掛かったことでしょう。

ご自身の足首を一度見てみていただくと分かりやすいのですが、

足首の皮膚はとてもデリケートです。

くるぶしの辺りは特に骨が出っ張っているので、

ちょっと擦りむいただけでもとても痛いとお感じだと思います。

この付近に刺青を入れること自体もただ事ではなかったと思いますが、

それを除去するとなると、なおさらです。

皮膚がとても薄いので切除法で皮膚にメスを入れると、

術後にひきつれを起こしやすくなります。

また、足首の付近は全身の体重を支える役割も担っているので、

術後の経過によっては傷が開いてしまう可能性もあります。

足首の刺青を消したいとお考えの方は、少々時間を掛けて

じっくりと取り組む必要があることを念頭にご相談ください。