国が変われば価値観も変わるというのは、刺青に対する考え方も同じです。
欧米諸国では刺青に対する考え方が寛容でファッションの
一部であるという認識を感じることがとても多いですが、
そんな中でも現地メディアですら仰天するようなニュースが
ドイツから飛び出しました。
ドイツのヘルタ・ベルリンというサッカーのクラブチームが、
ファンサービスとして生涯使える入場券を進呈すると発表しました。
ここまでならそんなに珍しくないかも知れませんが、すごいのはその方法です。
生涯チケットは生涯紛失することがないようにする必要があるということで、
何と刺青を体に刻むことでそれが入場券になるというのです。
QRコードを刺青として彫り込み、それを読み込むと入場できるという仕組みです。
さすがにQRコードだけが刻まれているというのはデザイン的にも
面白くないということで、ベルリンの地図とクラブチームのエンブレムを
あしらったデザインの中にQRコードが自然に埋め込まれるという形のようです。
サッカー選手に刺青を入れている人は多いですが、ドイツではファンも然り。
このクラブチームのキャッチコピーは「ヘルタがあなたの皮下で生き続ける」
というもので、刺青で生涯チケットを進呈することにも特別な意味を
込めているようです。
こうしたことができるのは、刺青に関する技術革新もあります。
以前と比べると刺青の技術は格段に向上しており、
細かい図柄であっても正確に入れることができるようになっています。
この生涯チケット企画も、刺青の図柄に正確性がなければできないことです。
QRコードを読み込むことができなければ、
単に刺青を入れただけで何の意味もないのですから。
このニュースを紹介している記事でも述べていますが、
もちろんこんな企画が日本で受け入れられるとは到底思えません。
あの熱狂的な阪神ファンに刺青チケットを進呈するといっても、
やはりほとんどの人は躊躇するでしょう。
これこそまさに、刺青に対する西洋と東洋の考え方の大きな違いですね。