陥没乳頭に自分でできるケアについて

女性特有のお悩みとして、陥没乳頭があります。

突き出ているはずの乳頭が内部に隠れ、

陥没している状態のことを陥没乳頭というのですが、

これは女性にとってコンプレックスの原因になるだけでなく

授乳などで物理的な弊害を伴う場合があるので

該当する方にとってそのお悩みは深刻でしょう。

この陥没乳頭を、できるだけ自宅で、

しかも自分でできる方法で解決したいという方も多いことと思います。

具体的にはマッサージや吸引器などがよく用いられているようですが、

それらの有効性や注意点についてお話ししたいと思います。

まずは、マッサージから。

マッサージというと揉んだりさすったりという動作を想像するかも知れませんが、

陥没乳頭のマッサージはもっと直接的なものです。

中に隠れている乳頭を指でつまみ、引っ張り出すことから始め、

その状態をしばらく維持するのが基本的な動作です。

「中に隠れている乳頭を外に出してその状態で定着させる」というのが

目的なので、とても直接的なマッサージです。

「こよりを作るように回す」という動作を組み入れているマッサージも

良く目にしますのが、これも乳頭を外に出した状態で

定着させるためのものでしょう。

次に、吸引器にも触れておきましょう。

奥に隠れてしまっている乳頭を気圧の働きによって

外に吸い出すという発想なので、こちらもかなり直接的です。

確かにこれだとうまく外に出してくることができそうですが、

それを定着させるためにはしばらく乳頭を外に出した状態を

キープする必要があります。

マッサージのように回す、ねじるといった動作を伴わないので

痛みを感じる可能性は低いでしょう。

この両者はいずれも、物理的なアプローチによって陥没乳頭の解決を

目指すものです。

どちらも考え方として間違っているわけではありませんが、

真性陥没乳頭といって先天的に陥没した形になっている場合は

引っ張り出すことすらできません。

無理にそれをしようとする強い痛みを感じますし、

さらに無理な力をかけるとケガをする恐れがあります。

また、長期間陥没していた乳頭を外に出すということはデリケートな皮膚を外気に

さらすことになるので傷つきやすく、衛生面での問題も起きやすくなります。

医療機関では簡単な手術で陥没乳頭を解決することができますので、

実際に手術を受けるかどうかの判断のためにも、

陥没乳頭の状況がどうなっているのかを医師の診察によって

把握してみてはいかがでしょうか。

陥没乳頭でお悩みの方へ!「かゆみ」はありませんか?

陥没乳頭は女性にとってなかなか人に言えないお悩みです。

異性からの目線が気になるばかりか、

入浴などで同性からの目線も気になるという方が多く、

それゆえに人目に触れるところに出るのが嫌になるという方もおられます。

こうして見ると陥没乳頭は見た目の問題であり、

気にしない人であれば特に問題がないものと思われがちですが、

医学的な目線ではそうも言っていられない部分があります。

医師の立場から最も心配なのが、かゆみです。

陥没乳頭にお悩みの方の中に乳首周辺のかゆみを感じている方は

少なくありません。実はこのかゆみには、医学的に心配な理由が関係しています。

陥没していることから乳首にはくぼみが生じてしまい、

そこにごみや垢などが溜まりやすい状態になります。

おへその中まできれいに洗うのが難しいのと同じ感覚だと

考えていただければイメージしやすいと思います。

しかも乳頭は肌の一部でありながらデリケートな組織であり、

陥没していることで外気に触れることが少なくなれば

なおさらデリケートになります。

そこに溜まった垢などによって雑菌が繁殖してしまうと、

症状としてはかゆみにつながることがあります。

これは逆に考えると、陥没乳頭でかゆみを感じる方は、

雑菌が繁殖して衛生上良くない状態になっているサインだとも言えるのです。

いわゆるデリケートゾーン専用の石鹸などを使って陥没している乳頭内部も

きれいにしてあげることで、かゆみの症状はかなり改善します。

つまり、雑菌を取り除くことができて衛生的です。

さらに、かゆみの原因は雑菌だけでなくカビであるという場合もあります。

外気にあまり触れず垢や汚れという養分がある環境はカビにとって好ましい

環境なので、マセラチアというカビが発生すると湿疹を引き起こします。

カビというととても怖い印象をお持ちの方も多いと思いますが、

これも清潔にケアをしけおけば心配はいりません。

なお当院では陥没乳頭の治療を行っています。

手術は簡単なもので、1時間程度で終了します。

手術後は1~3回程度の通院で完治しますし、手術の当日から患部を

濡らさなければシャワーを浴びていただいても問題ありません。

保険を適用することもできますので、それほど大きな負担をすることなく

「長年のお悩み」を解決できますので、

医療による解決もひとつの選択肢だと思います。