陥没乳頭は女性にとってなかなか人に言えないお悩みです。
異性からの目線が気になるばかりか、
入浴などで同性からの目線も気になるという方が多く、
それゆえに人目に触れるところに出るのが嫌になるという方もおられます。
こうして見ると陥没乳頭は見た目の問題であり、
気にしない人であれば特に問題がないものと思われがちですが、
医学的な目線ではそうも言っていられない部分があります。
医師の立場から最も心配なのが、かゆみです。
陥没乳頭にお悩みの方の中に乳首周辺のかゆみを感じている方は
少なくありません。実はこのかゆみには、医学的に心配な理由が関係しています。
陥没していることから乳首にはくぼみが生じてしまい、
そこにごみや垢などが溜まりやすい状態になります。
おへその中まできれいに洗うのが難しいのと同じ感覚だと
考えていただければイメージしやすいと思います。
しかも乳頭は肌の一部でありながらデリケートな組織であり、
陥没していることで外気に触れることが少なくなれば
なおさらデリケートになります。
そこに溜まった垢などによって雑菌が繁殖してしまうと、
症状としてはかゆみにつながることがあります。
これは逆に考えると、陥没乳頭でかゆみを感じる方は、
雑菌が繁殖して衛生上良くない状態になっているサインだとも言えるのです。
いわゆるデリケートゾーン専用の石鹸などを使って陥没している乳頭内部も
きれいにしてあげることで、かゆみの症状はかなり改善します。
つまり、雑菌を取り除くことができて衛生的です。
さらに、かゆみの原因は雑菌だけでなくカビであるという場合もあります。
外気にあまり触れず垢や汚れという養分がある環境はカビにとって好ましい
環境なので、マセラチアというカビが発生すると湿疹を引き起こします。
カビというととても怖い印象をお持ちの方も多いと思いますが、
これも清潔にケアをしけおけば心配はいりません。
なお当院では陥没乳頭の治療を行っています。
手術は簡単なもので、1時間程度で終了します。
手術後は1~3回程度の通院で完治しますし、手術の当日から患部を
濡らさなければシャワーを浴びていただいても問題ありません。
保険を適用することもできますので、それほど大きな負担をすることなく
「長年のお悩み」を解決できますので、
医療による解決もひとつの選択肢だと思います。