日本では社会からの冷ややかな目線もあって刺青に対する意識は依然として
ネガティブなものですが、中国では少々事情が変わってきているようです。
というのも、最近のニュースで中国人の特に女性の間で
刺青を入れることが大流行しているというものが出てきたからです。
もちろん、中国でも刺青に対する意識はそれほど良いものではありません。
文化的なルーツは日本と似ているので、刺青に対する意識も
日本のものと似ています。
しかし、報道によると中国全土で今やタトゥーアーティスト(つまり彫り師)は
20万人以上いるそうです。これはおそらく、日本の数百倍という規模でしょう。
日本と中国の人口比はほぼ10倍ですから、
その比率を考えると中国の刺青の流行ぶりが突出していることが分かります。
中国にも古くから刺青の文化があります。
昔は刺青を入れる刑罰があったり、その後はアウトローの人たちを中心に刺青を
入れる人が多かったというのですから、これってほとんど日本の感覚と同じです。
そんな感覚の中国で女性の間で刺青が流行っているというのですから、
日本で同じようなブームが起きているようなものです。
そう考えると、やはり時代は変わったものだと思わされます。
報道を見ても、かつての中国では刺青を受け入れる女性が
10%程度だったのに対し、今ではそれが70%ほどになっているといいます。
さすがに日本でここまで広く受け入れられているわけではないので、
最近の中国で起きている刺青ブームは明らかに日本とは別物です。
ただ、日本でもここまではいかなまでも刺青やタトゥーのブームがありました。
現在刺青を消したいという相談でお越しになる方の多くは、
ブームになった時に刺青を入れたものの、
その後の不利益や後悔によって消したいと思われている方々です。
もし同じことが中国で起きたとすると、20万人の彫り師が世に送り出した
「刺青の入った女性」の多くが刺青をやっぱり消したいということに
なるのではないかと危惧します。
その時に刺青除去治療の十分なキャパシティがあるのかどうかも分かりませんし、
それ以前にノウハウがなければならないので、
今の日本よりも深刻なことになるのではないかと思ってしまいます。